トップ対談 グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する。代表取締役会長 千本倖生×代表取締役社長CEO 木南陽介

  • 再生可能エネルギーへの転換の世界的潮流

    木南:千本さんには2015年にレノバの「代表取締役会長」にご就任いただきましたが、改めて再生可能エネルギー市場について、どのようにお考えですか?

    千本:やはり世界的な潮流が間違いなくあると感じる。アメリカに行って、シリコンバレーのリーディングベンチャーの面々と話しもしてきたが、再生可能エネルギーへの関心は非常に高い。Googleのような世界的な企業も、再生可能エネルギー事業に対する高い関心を持っているし、今後も更に市場が拡大していく予兆を感じている。

    木南:私も同じ感触を持っています。欧州では、Dong Energyという、世界一の洋上風力発電企業が、上場もしましたね。先日も、会長と一緒に欧州に洋上風力発電所の視察をしたり、事業者を訪問させて頂いたりしましたが、その際にも強く再生可能エネルギー拡大の潮流を感じました。実際、この5年で世界の再生可能エネルギー市場は2.5倍にも成長しています。

    千本:日本もこの潮流から例外ではいられないと考えている。

    木南:京都議定書が発効したのが1997年、私もまだ学生でしたが、私がいまこの事業をやっている大きな契機のひとつでもあり、世界的に再生可能エネルギーの潮流が起こり始めた端緒でもあります。東北の大震災以降、日本でもこの潮流に大きく乗って市場が立ち上がってきました。これまで太陽光発電が市場の成長を牽引してきましたが、これからバイオマス、陸上風力、洋上風力、地熱の市場も立ち上がってくると見込まれています。 一方で、諸外国に比べて、再生可能エネルギー導入が遅れているのも確かです。逆に言えば、まだまだ成長過程にあるため、大きなチャンスであるともいえます。

  • レノバ流の再生可能エネルギー事業とは

    木南:これまで再生可能エネルギー発電所を全国各地に作ってきて改めて思うことですが、電力の巨大消費地は都市部である一方、再生可能エネルギー資源自体は自然環境豊かな地域に存在しているのですね。 我々は、そうした地域に存在する豊かな自然のエネルギーの一部を頂いて発電事業を行っています。そして、発電所の建設・運転時に止まらず様々な場面において地域に貢献・還元することで、共生の関係を構築しています。

    千本:そういう部分は大事だと思う。 持続可能な資源を使ったビジネスで、持続可能な地域をつくり、持続可能な社会を実現していくというのは、レノバらしさではないかと思う。

    木南:水郷潮来ソーラーでも、「太陽のめぐみ基金」を設立して地域の環境教育に資する取り組みを行ったり、また隣接する道の駅に太陽光パネルと蓄電池を設置して防災拠点作りをするなど、発電所と地域の融和を図ってきました。 また、秋田県のバイオマス発電事業では、地域の林業の活性化につながっています。これは、地元企業であるユナイテッド計画とタッグを組みオール秋田の事業に参加できたことで、多くの林業者の方の御協力を得られた結果だと思っています。

    千本:我々が持つ知識、ネットワークを惜しみなく提供し、地域社会はそれを最大限活用する姿勢を持つことで、すばらしい相乗効果が期待できる。地域社会においても、首長のリーダーシップによって、現地企業をひっぱりあげることも必要だし、地域の金融機関による支援も欠かせない。

    木南:レノバがそういった事例を世の中にもっと増やしていきたいと考えています。

  • レノバ自身がどうありたいか

    木南:先ほどもお話した通り、我々の仕事は、地球環境を良くすることに立脚していますが、同時に地域社会へ貢献することを忘れては成り立たない。地域に対して、さまざまな課題解決の提案を行い、地域とともに課題解決を図っていく。地域に根ざして受け入れてもらわねば将来はないという覚悟は誰にも負けません。社員ひとりひとりにも、この思いをもって事業に携わってほしいと考えています。 その結果として、日本、ひいてはアジアのエネルギー変革をリードしていきたい。

  • 日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること

    千本:まさに、ビジョンにあるとおり、「変革のリーディング・カンパニー」たることが肝要かと思う。日本で現在再生可能エネルギー事業を手がけているのは大手資本系の企業がほとんど。独立系で新しいことに志高く挑戦する。大手とは差別化された「地域貢献」や「社会的課題解決」の視点からの再生可能エネルギー開発を推し進めることで「さざ波」を起こし、より健全で意義深い再生可能エネルギー市場の形成を担う。結果として大きな波、潮流を作っていく。レノバはそうでなければならない。

    木南:まさに、レノバのコミットメントとして示している、地球、地域、顧客、株主、社員への約束、これを果たすために全力を尽くしていきたい。

  • 大きくやろう

    千本:コミットメントに書かれている約束を果たせば、レノバの事業の拡大が社会の課題解決に資することになると信じている。私はレノバの事業に大義があると思っているし、やるからには大きくやらなければと思っている。

    木南:日本の名だたる経営者の中でも、自らゼロからイチを作り出し、起業して大企業に育て上げた経験のある経営者は実に限られています。そのうちのお一人である千本会長と事業に取組めることを心強く感じています。

    千本:レノバがやっていることは世界でも大きく成功した事例があり、大義がある。自信を持ってやりきることが大事だと思いますよ。こうした社会的意義の強い事業を、数千億から数兆円単位の大きな規模の企業にさせていくこと。これは私の経験からも確実に進めていけると信じています。

    木南:大きくやっていく必要性というのは、私も強く感じています。詰まるところ、「自立可能なエネルギー・システム」と「枢要な社会的課題の解決」を実現しなければ意味がない。「自立可能」とは、持続的であることも意味し、また「枢要な社会的課題の解決」とは、大規模に行われてはじめて実現できることだと考えています。日本国内のみならず、アジア・世界にこの「レノバ」の環を広げていきたいと考えています。